出会い

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だるい。学校に行く気が起きない。 それでも学校に行くのは気になることがあるからだ。 それは栗林杏のことだ。 あいつの正体はわからない。 あの二人は同一人物なのか? いやそれはない。性格が違いすぎる。 だとしたらなぜ同じ顔で同じ名前なんだ? 「おーい。神屋、なにぼけっとしてんだ」 「あっおう。もう着いたか」 今は、もう4時間目。後は午後だけだ。 「おっ。杏ちゃんがいた! おーい杏ちゃ~ん」 「えっあっはい。なんでしょう?」 「あのさっどこから転校してきたの?」 「えっと、えっと・・・」 「なんだよ~。もったいぶらないで教えてよ」 いや、もったいぶってるわけじゃないんですけど・・・」 その後に沈黙が少し続いた。 「あの」 「ん?」 「思い出せないんです。なぜかはわからないんですが」 「思い出せない?」
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