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みそ汁を作り終えてもまだ起きて来ない親父と母さん。となると……
「やっぱりまだ洋介じゃ実力不足だな」
俺は火を止めて寝室まで向かう。畳みの上には二つ布団が敷いてある。
その布団を引っぺがし、クローゼットにしまう時間は約十秒。その後に母さん達の口に激辛のフリ○クを放り込む時間は二秒。ついでに一秒使って洋介にも与える。つか何で母さんと一緒に寝てんだよ。
「起きろ」
そう呟くと、中年の親父が目を覚ます。
「むう……すまんな洋平」
髪の毛は茶色で額まで伸ばした男……俺の父親、久野国貞は起きると同時にかけてある着替えに手を伸ばした。
母さんは口に手を当てて暴れている。もともと甘党だしこういうの苦手なんだよな。おまけに隣では洋介も暴れている。
ピンクの髪の毛を下ろした、容姿端麗な美人……だがやることなすこと全て子供な母さん……久野巴がようやく起きた。
「はい、朝飯食おうな」
ため息をつきながらそう背中を押すと、母さんは涙目で頷いた。
「頂きます」
食事が始まる。親父は真っ先にみそ汁に手を伸ばし、母さんはテレビを付けた。
洋介は牛乳を飲んで俺を見るとニヘラと笑った。俺はそんな洋介の頭を撫でて白米を口に入れた。
今日もこんな普通の一日が始まる。
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