はぐれ者の言い訳

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死ぬとは何か、と。例えばそう尋ねられたとしよう。 僕はそれにこう答える。 「死ぬことだ」 「終わることだ」 「消えることだ」 「そして平等な証だ」 と。 最後の言葉には何かと反論が集まることだろう。なぜなら、寿命というものはとてもじゃないが平等ではないからだ。 百まで生きる者もいれば生まれることすら適わない者もいる。だから人は言うだろう。 どこが平等なんだ、と。 しかし僕は思う。まだ二十歳にも満たないガキではあるが思う。 「でも結局みんな死ぬんじゃないか」 世界を変える偉人だろうが、人々を救う聖人だろうが、空前絶後の悪人だろうが。 死というピリオドからは逃れられない。 そしてその原因。 これだって、結局は確率の問題じゃないか。 死ぬというのは何も寿命だけが原因ではない。 病気。 事故。 殺人。 健康だから大丈夫、危険なことをしている訳じゃないんだから大丈夫。 そんなまさか。 病気なんてどんなに気をつけていてもなる時はなるし、危険なんて、どこにでも溢れてるじゃないか。そこここを走る車だって、立派に人を殺せるんだぞ? 極端な話。 今ここに隕石がふってくることだって有り得るんだ。
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