はぐれ者の言い訳

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「・・・・と、流石にそれは言い過ぎか」 別に僕は死にたがりという訳ではないのだし。 「よっと」 そう言って僕は身体を起こした。固い床に寝そべっていたせいで背中が痛い。 さて。この辺りで簡単に自己紹介でもしておこう。と、言っても名乗るほどの人物でもないのだけれど。 僕の名前は西村夕日。なんて事はない普通の男子高校生である。学力も運動神経もおおよそ当たり障りのない、『平凡な』男子だ。 素行だって悪くないはずだ。校則と呼ばれるものは、常識の範囲内でおおよそ守っている。提出物だって期限前には提出する。 けれど。 教師は僕のことを敬遠している。取り立てて不良という訳でもない僕に、腫れ物でも扱うかのような様子で接する。 それは何故か。 簡単だ。僕が学校内のどのグループにも所属していないからだ。 学校に限らず、人間というものは何かしらグループを作り、集団で行動する。日本人ならより顕著だろう。そしてそれが人間社会と言うものだ。 が。 僕は学校という、その集団行動というものを本来学ぶべき場所でそれを行っていなかった。委員会は勿論、部活も行っていなかった。 つまり、まあ、簡単に言うと。 僕には友達がいなかった。
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