はぐれ者の言い訳

4/14
前へ
/14ページ
次へ
と言っても、これは別に僕がはぶられている、という訳ではない・・・し、僕の方としても壁を作っているつもりはない。 ただ何というか、性に合わないというか。反りが合わないのかもしれない。 昔はそれでも友達という集団に入ってはいたものの、どこか周りとズレていた僕はいつしか一人でいることが多くなった。そしてそれが当然で自然で当たり前だったかのように、僕は一人になった。 それを教師は、僕がいじめにでもあっているのでは、と勘違いしたらしい。時々「何か変わったことはないか」「困ったことがあったらなんでも相談しろ」というようなことを言われる。 「先生に要らない勘違いをされて困っています」 と言うわけにもいかないので放置しているが、やはり少し鬱陶しい。授業中とかはちゃんと周りに合わせているのだから放って置いてほしいものだ。 さて。 そろそろまた、集団行動に戻らなくてはいけない。昼休み、というものも、案外短いのだ。 現在地。つまり学校の屋上から僕はグラウンドを見下ろした。次の時間、不運にも体育が割り当てられているらしい生徒たちがバラバラと、蟻のようにちょこまかしている。 ご苦労なことだ。 「・・・・・・って、あれ?」 あれ、僕のクラスじゃん。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加