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女「乾かしますね」
俺「もう? 普通はカットした後じゃない」
女「ドライカットが得意なんです」
俺「へー。技術はあるんだ」
女「ないと思ってました?」
俺「今までのトークの流れ的にね」
女「よく言われます。今回はどういった感じにしますか?」
俺「そーだね。イメチェンしたいんだ。小栗シュンとか、どーかな」
女「えっ!?」
俺「やっぱり長さとか足りないかな…」
女「正気デスカ」
俺「そこまで言う…。髪型ぐらい自由でしょう」
女「ぷっ……ククク」
俺「口を押さえても、肩が揺れてるし。似合わないって思ってるんだろ。分かったよ。今回は毛先を整えるぐらいでお願いします」
女「はい、かしこまりました♪」
……ヂョキ……ヂョキ
……ヂョキ……ヂョキ
俺「あのさ、口でヂョキヂョキ言わないでくれる」
女「じゃあ、どこでカットの雰囲気を出すんですか?」
俺「雰囲気とか出さなくていいから。普通にカットして」
女「はーい♪」
・
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・
【5分後…】
・
・
・
女「あっ」
俺「えっ?」
女「あああっ!!」
俺「ええっ!?」
女「凡ミスだわ」
俺「どーした」
女「裁縫用のハサミだ、コレ」
俺「最初に気付こうよ」
女「でも…」
俺「ハサミはハサミだし。今から替えればいいじゃん」
女「もう、ておくれです」
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