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男は私を無視し携帯をいじりながら言った。
『此処。今日からお前の部屋だから。』
「はぁ!?」
何なんだコイツ!!
どんだけ自分勝手なんだよ!!
「ふざけんな!誰がこんな所…っ!!」
『あのなぁ…』
男はため息を吐くと上に覆い被さってきた。
慌てて起き上がり、逃げようと試みるが男の手によって阻止されてしまう。
ギリリと、腕を強く掴まれ身動きとれない。
「いった…」
『女がそんな口利いてんじゃねぇよ。それとも…』
男は顔を首元に埋め、うなじに唇を寄せてきた。
ぬるりとした感触に、体がびくりと反応する。
『真っ昼間からヤりてぇのか?』
「~~っ!!」
『お楽しみ中、失礼します。』
聞き覚えのない声にばっと体を起こすと、車の運転手が爽やかな笑みを浮かべて立っていた。
運転手は扉にもたれ、腕を組んでいる。
『セックスは勘弁ですよ社長。今から会議あるんですから。』
「セ…ッッ!!」
その言葉を聞いた瞬間、体がかっと熱くなる。
普通に“セックス”と言える運転手の気が知れないが、言い方からして、こんなことは慣れっこなのだろう。
その前に気になるのが…
「今、社長って…」
『…お前ガチで俺のこと知らねぇの?』
素直に頷くと、運転手がぶっと吹き出した。
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