2人が本棚に入れています
本棚に追加
『あっははは!!も、ヤバイ…腹筋が……くくっ…!!』
バシバシとイケメン運転手は扉を叩きながら腹を抱えて爆笑する。
目尻に浮かんだ涙を指で拭うと、運転手は深く息を吐いて私を見た。
なんだコイツ。
なにがそんなにおかしんだろ。
疑問を浮かべながら睨んでいると、再びぷっと吹き出す。
とことん失礼な奴だな、コノヤロウ。
『思った通りの子だね。気に入っちゃったよ、俺。』
『光。』
『そんなに睨まないで秋夜。大丈夫。すぐにはしないから♪』
しないって何だ、しないって。
一体、何をする気なんだ私に。
『それより秋夜、自己紹介した??』
『…めんどくせぇ。』
『でもしないと。子猫ちゃんが戸惑ってるよ?』
運転手はくすくすと笑い、私を見る。
さっきまで敬語だったのに、いきなりタメ口になってることはさておき。
子猫ちゃんって私か!?
私のことか!?
ひとり怒りを押さえていると、男が口を開いた。
『一度しか言わねぇからよく聞けよ。』
男は私に向き直り、早口で言った。
『隼 秋夜(ハヤブサシュウヤ)。歳は26。仕事は俳優やってっけど、本職は北条財閥の社長。以上。』
……(゜ロ゜;
なんだコイツ、なんだコイツゥゥゥゥ!!!!(プチパニック)
『で、コイツは秘書の五十嵐 光(イガラシミツ)。俺の幼馴染みでもあり腐れ縁でもある変態男。』
『ちょっとシュウ!変態は余計だろ!?』
『シュウ言うな。それに俺は事実を言ったまでだ。』
『なにそれひでぇ~!!』
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだろう。
ほんとになんなの、この人たち――…
最初のコメントを投稿しよう!