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『あ、そうそう。利音ちゃんの荷物、持ってきたよ。』
Σはい!?
『ん、さんきゅ。アイツに事情言った??』
『全部じゃないけど、一応言ってきた。』
「ちょっと!!」
思いきって声をかけると、ふたりの視線が一斉に私に集まった。
ゔ…
怯むな、私!!
「は、話が見えないんですけど…」
『あぁ゙??』
「っだから、話の内容が分からないって言ってるの!!」
声を荒げ、思いっきり睨んでやった。
僅かだが、肩が少し震えている。
『ごめんごめん。話、先走っちゃってた。』
運転手こと光さんが近づき、私の隣に腰かけた。
『利音ちゃんがね、此処に住むって話してたの。』
「なんで私の名前……って、はぁ!?」
私が住む!?
此処に!?
『お母さんにはもう話してるから。荷物も全部持ってきたし、後で整理して??』
私の髪を撫で、光さんと秋夜さんは部屋を出ていこうとした。
「待ってよ!!」
慌てて引き止めふたりに駆け寄る。
状況が全く把握できないのに、此処にいられる筈がない!!
第一、なんでこの人たち私のこと知ってるの!?
「帰る。こんな所いられるわけないじゃん。」
『あ、オイッ』
スクバを掴み出ていこうとしたら、あっさりと腕を掴まれた。
振りほどこうと体をよじるが、びくともしない。
「痛いってば!!離せ!!」
『帰ったらちゃんと話す。だから大人しく待ってろ。』
「絶対いや!!離せ変態!!」
再びもがくが、やはり逃げ切ることは出来ない。
そんな私に苛立ったのか、秋夜さんは私を横抱きにした。
「ぎゃあ!」
そのままベッドに放り投げ、秋夜さんはばたんとドアを閉めて部屋から出ていった。
「ちょっと!!」
ドアにかけよりノブを回す。
ガチャガチャ
「なんで開かないの!?出してよ!!」
どんどんと、力一杯ドアを叩くが、返事は勿論ない。
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