兎はどうやって愛を求めるか

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『ちょっと~!起きて起きてぇ!!』 「ん…」 体が大きく左右に揺れる。 うっすらと瞼を開け、目を擦りながら体を起こした。 寝起きのせいか、頭がボーっとする。 『秋夜の奴、何も軟禁しなくてもいいのに…大丈夫?利音ちゃん。』 …誰、この人。 いつの間にか知らない女の人がいた。 腰まである髪は栗色で丁寧に巻かれている。 目はぱっちりのデカ目で、ふっくらした唇にはグロスがたっぷり塗られていた。 一言で言うと、“美人” 男はこういう女に目がないのだろう。 『ほんとにごめんね利音ちゃん。シュウの奴、帰ってきたらしめてやるんだから…』 「なんで…私の名前を知ってるんですか。」 問うと女の人は目を瞬かせ、大きな瞳をさらに大きくした。 『シュウから聞いてないの?』 「…何も。」 『あの馬鹿……』 はぁ…とため息を吐き、前髪をくしゃりと掻き分けた。 ふわりと漂ってきた甘い香りが鼻孔を刺激し、思考回路を鈍らせる。 『私、北条 明(ホクジョウメイ)って言います。』 「北条……」 秋夜って男も言っていた。 “北条”…… …なんでこんなに気になるんだろ……
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