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あの後はあんまり覚えていない。
微かに覚えてることと言えば光さんが秋夜さんに散々怒られてたことぐらいかな。
今は元いた部屋に戻ってベットの中で休養中。
『利音ちゃん利音ちゃん。』
意識が闇に沈もうとした矢先、明さんの声で浮上する。
首だけひねると明さんが心配そうに私を見ていた。
『大丈夫?ミツのバカがほんとにごめんね。』
そう言って、明さんはしゅんと肩を落とす。
叱られた子犬のようでなんだかかわいい。
「謝らないでください。ほんとに大丈夫ですから。」
『ほんとに…ごめんなさいね。』
それから明さんは何度も何度も謝罪し、仕事があるからと言ってそさくさと部屋を出ていってしまった。
「…い゙っ!!」
残された私を突如襲ったのは激しい頭痛。
こめかみを押さえ、シーツを握りしめながら痛みに耐える。
「っう…」
『大丈夫。大丈夫だから――』
あぁ、またコレか。
何なんなの。コレは…
『守るから。絶対、守るから…。』
一体、あなたは誰なの――…?
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