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「あたしは持ってきたそうめんとかでお昼作っちゃいますから、先生は涼みがてらコンビニでお茶とか買ってきて下さい」
そう言いながら、早速あたしは水を入れた鍋を火にかける。
「何から何までごめんね」
玄関で靴を履いた葛城が申し訳なさそうに言うが、まだ掃除は完全には終わってないので少しからかってみる。
「それは部屋が完全に綺麗になってから、ですよ?」
「うぅ……はい」
苦笑いを浮かべつつ、葛城は近くのコンビニへと向かった。
それを確認したあたしは、昼食作りに取りかかる。
沸かしたお湯でそうめんを茹で、冷蔵庫にあった豆腐で冷奴、持ってきた茄子で焼なすを作る。
最後に薬味の刻み葱とショウガを用意していると、玄関先から物音が聞こえた。
葛城が帰ってきたのだろうかと手を止めた瞬間、玄関の扉が思いきり開く。
「ハルーッ!」
声を上げて扉から現れたのは、薄い水色の爽やかなノースリーブシャツと白いサブリナパンツがよく似合う、大人の女性という印象の女の人だ。
そしてバッチリ目が合ってしまったあたしとその人は、互いを見て固まった。
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