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それから午後は、部屋に溜まっていたゴミと今回の掃除で新たに出たゴミを近くの清掃工場へ持っていった。
あいにく葛城は車を所有していないので、千夏さんの車を借りて運ぶことが出来た。
ちなみに前回の掃除でのゴミは、大家さんの知り合いの軽トラを借りて清掃工場へと運んだのだ。
「ナツ姉、今日はありがとう」
あたしと葛城は、帰るため車に乗り込んだ千夏さんを見送る。
「ハルはもう少し無頓着なところ直しなさい」
「努力するよ」
苦笑を漏らす葛城に、千夏さんは呆れるような溜め息をつく。
続いてあたしも、映画の前売券のことも含めて礼を言った。
「今日は千夏さんのおかげで助かりました」
「いいわよ。むしろこっちがお礼言いたいくらいなんだから」
それから……と、千夏さんはあたしを手招き、耳打ちする。
「あいつ鈍感だから、ストレートに告白しなきゃだめよ」
どうやら千夏さんはあたしの葛城への恋愛感情に気づいて、しかも応援してくれるらしい。
「はい! 頑張ります!」
最後に千夏さんは素敵なウインクを残し、走り去っていった。
その後、あたしは映画を見に行く日時をなかば無理矢理取り決め、絶対に来るようにと葛城に約束させた。
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