浮き沈む

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ふわふわと風に煽られて捲れる裾 幾分か長い袖を揺らしながら空を眺める 真っ青な空に白い雲 穏やかに吹く風と退屈な午後 そんなつまらない日常 ぼんやりと外を眺めて一人溜め息 待ち人はまだ来ない こんなにいい天気なのにあの人は来ない 独りに慣れたつもりだったのにあの人を思い出すだけで 何処か寂しい つまらない 白い雲に空想を重ねてみてもそれはただ流れていくだけ 隣同士の雲に自分を重ねてみても所詮妄想 馬鹿にしたように嘲笑うもう一人の自分は無視した 待つだけなんてフェアじゃないから あの人から飛び出して反応を見て見たかっただけ 嫌いになった 訳じゃないからね? 「探したぞ、アンリ。」 探し疲れたのか少し草臥れたあの人 呆れた声で名前を呼び優しい手を差し出すあの人に 少しだけ微笑んだ 「         」 ねぇ、この空は貴方にはどう見える? .
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