* 夜の公園.
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遅い時間のためか、 明かりの点いた家は少ない。 この先の石段を上れば、 薄縹公園が見える。 こつ、こつ、こつん、… 依子の足音が響く。 急に寒気がし、 同時に違和感を覚えた。 足音が、多い――? 少しだけ、ほんの一瞬だけ、 余計な音がしなかったか? 文字通り血の気が引いた。 しかし、気になって仕方がない のも事実だった。 依子は歩調を緩めると、 思い切って振り返った。
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