* 夜の公園.
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そう、被験者は、 ぐるぐる回っているのだ。 自分では真っ直ぐ歩いている つもりなのに。 ――私も、そうなのかな。 ずっと、 ここをただぐるぐる回ってる だけなのかもしれない。 脳裏にその考えがかすめたが、 それもつかの間、 石段が見えた。 石段に駆け寄り、上を見上げる。 せいぜい30段くらいだろう。 依子は額の汗を拭うと、 段を上り始めた。
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