* 夜の公園.

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もう、戻れない。 私は扉を開いてしまっている。 その先にあるのは―― 目の眩むような闇か、 出口のない光か。 いずれにせよ、 抜け出すには遅すぎる。 一段、また一段。 上るにつれて、 叫びだしたくなるような恐怖が 体中を支配した。 それでも、 ふるえる脚を止めることはない。 何故彼女は、 これほどまで恐怖に抗いながらも 目的地を目指すのか。 ――ことのおこりは、 十日ほど前に遡る。
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