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「それじゃあ儂は領主様を呼んで来る。おめぇさんはこいつで腹ごしらえでもしとけ。」
握り飯を置いて立ち去る男。
男が去った襖の向こう、チラッと見えた中庭の枯山水。
どうやら此処はその領主様とやらの豪邸らしい……。
男が去って漸く気付く。
尋常ではない空腹感。
一体自分はどれ程寝込んでおったのか……。
なんとか床から出ようとするものの、身体は全く力が入らず起き上がれない。
身体を捻れば腹は激痛。
目の前の握り飯を食べることさえ叶わない。
男はとうとう飯を諦め、天井辺りをぼやっと眺めた。
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