とある梅雨の物語

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いつまで泣き続けるのか……。毎日、まいにち私を憂鬱な気分にさせる頭上からの幾千、幾万の雫。 雨は嫌いだ。 ジメジメするし、何よりも星を観ることが出来ない。 時は六月中旬。梅雨真っ只中である。 今日は八時をまわっても空が泣かなかったので、私はずっしりと重い天体望遠鏡を担ぎ急いで丘に登りつめた。 まだ泣かないで……。今日は、今日こそは貴方の笑顔を見せてよ。満天の星空を――。そんな心境で天体望遠鏡を準備した。 ファインダー越しに星座を探す。
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