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「あ、そう言えば片付けているときに何か女の人の奇声が聞こえたな」
う……。それはもしかして私のことじゃ――。
「あれ、そう言えば君も天体望遠鏡持ってるね。君も丘で星観してたの?」
「え……ああうん。雨降ってきたから直ぐここにおりてきたけど……」
恐らく今の私は誰が見ても挙動不審にしか映らないだろう。警察官がここに居れば職務質問をされること必須だ。
「まあ久し振りに雨降っていなかったから、ほんと今日楽しみにしてたのによ……君も災難だったね」
私は髪から雫が落ちなくなったので彼にタオルを返し、空を見上げた。今度晴れるのはいつになることだろう……。
私は膝を抱え、自分の天体望遠鏡をケース越しに撫でた。彼は空を見上げている。涙を流し続けている空を――。
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