とある梅雨の物語
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「段々小ぶりになってきたね。今のうちに帰ろうか」 「そうですね」 彼はじゃあね、と言い腰を上げて天体望遠鏡を担ぎ帰途についた。 私もそれに習い、帰途についた。 ――はずだったのだが、理由はわからない。けれど私は“彼を追いかけていた”。 冷たい雨に打たれながら、私は彼の背中を捜した。呼吸はみるみるうちに乱れてゆく。 けれど私は彼にこれだけ言いたかった。“私と天体観測をしませんか”と。
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