タチアオイの少女

6/9
前へ
/9ページ
次へ
幼稚園、小学校、中学、そして高校までもが同じであることさえもそう思う。高校は私立を最初から志望していた鈴花が、公立に決めた時は流石に僕も驚いた。唯でさえ意志の強い鈴花が、いきなり進路を変えるなんて。当時の担任も凄く驚いて居たのを良く覚えている。しかもその理由が何とも単純で、その私立高には女子ソフト部がない。ただそれだけの理由だった。まぁ確かに小学校の時からソフトをやっていた鈴花のことだから、解らなくもないと云えば解らなくも無いのだが、あれだけ行きたがっていた高校をそれだけの理由で諦めるのはやっぱりらしくないかな、なんて。自分なりに色々考えたのだろうけれど。そもそも行きたい学校の部活位調べとけって話なんだけどな。以前にその話をしたら、その高校に行きたかった理由が俺の大嫌いな「進学率」とやらを基準で考えていたから、部活は二の次だったらしいけど。そう考えると頭の良い奴は得な気がする。自分で好きな学校を選べるわけだし。それに比べて僕は……。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加