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――翌日。
メールの事などすっかり忘れていた俺は、教室に入った途端に妙な胸騒ぎを覚える。
(朋……美?)
いつもは俺より早く登校している朋美の姿が見当たらない。
確か、無遅刻無欠席の優等生のはずだ……朋美は。
結局、朋美が現れぬまま朝のホームルームが始まり、担任のひと言によって妙な胸騒ぎは嫌な予感へと形を変える。
「あ~、みんなちょっと聞いてくれ。実は今朝、藤巻の親御さんから電話があってな。普段なら声を掛けて家を出るらしいんだが、今日は何も言わずに登校したそうだ。来ているなら問題ないと思ったんだが……先生、少し心配だから探しに行ってくるな。
何か心当たりのあるやつはいるか?」
担任の言葉に発言する者はおらず、ただざわめき立つのみであった。
「ふむ……まぁ、藤巻に限って変な事は無いと思うが、とりあえず自習しててくれ」
そう言って教室を後にする担任の姿を見送ると同時に、ズボンのポケットの中で携帯が震える。
(ッ!! メール……!?)
俺は慌てて画面を開いた。
○●○●
題名
おわかり頂けたでしょうか?
本文
昨日の夜は信じて貰えなかったようですね……
だが、これで信じる事が出来たでしょうか?
そう……貴方の大事な人
藤巻朋美サン
朋美サンの命の灯火は……
あと十七時間後には消え失せてしまいますよ?
さぁ
お急ぎなさい
○●○●
(何だコレはよっ!!)
文面を読んだ瞬間、俺の中のアドレナリンが噴き出した。
(朋美は学校ん中に……いる!?)
いてもたってもいられなくなった俺は、すかさず教室から飛び出した。
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