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それからしばらく、二人の間には静かな時間が流れた。
公園を行き交う人々や、楽しげに走り回る子供達の話し声や笑い声を…
ただ黙って…聞いていた。
『あの子はほんとに…
それで幸福になれんの?』
『……えっ?』
突然、話始めたその人の声にハッと我に返ると、僕はその人を見つめた。
『どんな形にせよ…君があの子の側
に居てあげた方が、亡くなったお兄さんも
安心するんじゃないかな…。
俺がお兄さんだったら、きっと
そう思う気がする…』
その人は僕の方へ振り返ると、真っ直ぐな瞳で僕を見つめた。
ギュッと心をわし掴みにされるような感覚を覚える。
-‘ソンナ綺麗ナ瞳デ
僕ヲ見ナイデ…’-
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