…02…

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捕まれた腕を振り払おうにも、相手の力の方が強くてびくともしない。  『離して下さいっ!!』 その人に向かって大声で怒鳴りつければ、周囲の視線が一斉に集まる。  『嫌だ』  『…はっ?』 その人は、そんな様子も全く気にする気配はなかった。 ただ真っ直ぐに… その瞳は、目の前にいる僕だけを捉えていた。  『嫌だ…って…   どうゆうつもりなんですかっ?   ほんとに…   離し…て……っ……』 その視線に耐えられなくて、僕は俯いて、それから逃れた。 僕を掴んだその手は、力強く暖かい。 だけど、ほんの少しだけ… 震えていた…。  『……約束してくれたら…』  『えっ……?』 僕は顔を上げてその人を見る。 目の前のその人は…優しい目を潤ませて、僕に微笑みを投げかけた。  『明日、又…   俺と会う約束をしてくれたら   この手を離すよ』  『なっ…!   そんな約束出来る訳ない!』 この人は一体、何を考えているの…?  
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