26人が本棚に入れています
本棚に追加
『明日、ここで待ってる。
来るまで…待ってるから』
分からない…
分からない…。
あなたは一体、何がしたいの…?
『聞こえませんでした?
そんな約束出来ません!』
ほんの少しだけ力の緩んだ手から、僕は腕を振り払った。
『…待ってるよ。ずっと。
明日も話しよ…』
僕の答えなんかお構い無し。
ベンチに深く座り込むと、ズボンのポケットに両手を突っ込み…
貴方と同じ顔で優しく微笑んだ…。
『……ッ……』
-お願いだから…
僕に笑い掛けないで…。
僕はくるりと踵を返すと、砂場で遊ぶカムイの元へと歩き出す。
『ねぇ!
名前だけ教えて』
背中越しに聞こえる、貴方に良く似た…あなたの声。
『……教える必要ありますか?』
振り返って、その人を睨みつけた。
『うん。俺には凄く必要♪
あー……
俺の名前は……ユチョン。
パク・ユチョン!
君は………?』
僕は又、前を見据えてゆっくりと歩き出した。
ニ・三歩進むと歩みを止めて、立ち止まった。
背中に…その人の視線が熱く絡み付く感覚がしたから。
最初のコメントを投稿しよう!