…03…

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窓の外には闇が広がり始め、時間だけが、無意味に過ぎていく。  ‘貴方の元に逝く方法は…?’ 出来る事なら誰にも迷惑を掛けずに、知られる事なくひっそりと逝きたい。 ベットに転がり、部屋の明かりさえともさずに、ただ、そればかりを考えていた…。 そんな思いを遮るかのように、突然テーブルの上に置いた携帯が震えだした。 ディスプレイに表示された名前を見て、思わず小さなため息をついた。  『……はい』  『カイン君?今、どちらですか?』  『ホテルの…部屋で休んでいます』  『そうですか…』 その電話は院長様からのもので…。 部屋にいると答えると、心なしか、ホッとしていたように感じた。 きっと、僕の事を心配してのことだろう。  『あの……   何か…あったんですか?』 院長様に特別な用事が無かった事など、本当は分かっていた。 ただ、深くを追及され、気持ちがぶれてしまわないように、あえて気付かないふりをしてその場を切り抜けたかった。  『すいません、院長様。   僕、少し疲れているので…   休ませて頂きたいのですが…』  
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