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そう言って、畑野がサラダボウルを差し出す。
「ほら、一緒に入るんだろ、平賀?」
「…、うんっ…!」
二人で一人分のサラダボウルに肩を寄せ合って歩いて気付いたのは、これが念願の畑野とのあいあいボウルだって事と、せっかくピンクのマジックで名前を書いた新しいサラダボウルがもう要らなくなったって事だった。
私達の手は、しっかりとお互いの手と、一つのサラダボウルを握っていたのだから。
初々しい二人の間に、ガラスのサラダボウルに当たって響く、クルトンがメロディーを奏でていた。
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