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魔術学園ヴォルディオの生徒数は千人を越す。その中で上位百人には学園から銘が与えられる。この銘は魔術の特性を表したり、戦い方を表したりするらしい。巧汰が話に聞き入っているのを知ってか、煉は
「俺は五十位だからさっさと登ってこいよ」
その序列を上げるには魔術で対決し、相手に降参と言わせるか、気絶させればいいらしい。
「で、それ負けた場合どうなるの?」
と、巧汰の疑問に
「お前なら六十位までなら問題ないよ。それよりお前、魔術発動させる時間でも短くしとけよ」
「うん、大分短くなったよ」
と、巧汰の言葉が言い終わると、煉は
「おっ、寮が見えてきたぞ。あれがお前の住む第二男子寮だ」
煉の言葉を巧汰は半分聞き流しつつ建物を見上げた。
だいたい十階建てぐらい紅茶色の建物が有る。
「だいたい、生活に必要な物は揃ってるだろうから、寮長に挨拶して部屋に案内させてもらえ」
煉はそう言ってすたすたと歩いて行った。
寮長の案内された部屋には煉の言うとおりだいたいの物は揃っていた。足りないとすればカーテンぐらいだろう。
「さてと、寝るかな」
今日は移動が多かったせいか体が重い。ベッドに転がり目を閉じた巧汰はそのまま泥のように眠りについた。
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