君は少しも悪くない

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「ゴ、メン…ゴ…メン…ゴメン」 壊れたレコードの様に謝り続ける 狂った俺の頭は何に謝っているのかもわからなくなってしまった 「ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメン…ゴ…」 「…るさい」 「っ、ゴメン、ゴメ…」 「黙れよ!!!!」 かなが怒鳴った ひくっ と鳴る俺ののど "ゴメンね" 心でまた繰り返す 貴方を愛してごめんなさい 縛ってしまってごめんなさい それでも、 愛していたいんだ 冷たい彼の顔を見たくない臆病な俺はおし黙って俯く 頬を伝う温かい雫、それは弱くて浅はかな俺の心の象徴だ 気付きたくもない、‥これが涙だなんて 「…黙れよ」 彼は小さく呟くと苦しそうな哀しそうな目で俺を見ていた。 否、俺と重ねて別の誰か‥きっと、あの人を見ていた。 そんな簡単な事実だけで また、暖かいものを流す俺の瞳が憎くて仕方ない かな、 「おれ、を‥コワシテ?」 もう、弱い心など持たぬように もう、貴方を俺に縛ってしまわぬように かな、 俺の心をコワシテ -
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