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七本腕の主観
「……着いたぞ…あの廃墟に居るらしい…」
何時もどうりぞわぞわする謎空間を抜けると崖の下には廃工場が見えた。
「うぃーす、あんがとです影の旦那」
隣に立つ無精髭で死んだ魚の目をした黒ずくめの男に礼を告げる。
「……あぁ…今回…俺の仕事は…送り迎えだけだ……終わったら“千里眼”に言え…迎えに行く…」
ハンドレットのトップ“百位”の“影渡り”は、そう言うとあたしの頭をぞんざいに撫でる。
「止めて下さいよ旦那、あたしももうサウザンド“5021位”こんな仕事じゃしくじりませんって」
この男見た目と暗い雰囲気の割にかなり過保護で、あたしの事を気に掛けてくれてる。
「……そうか…だが…おまえは…時々うっかりしている…気を抜くな…」
その忠告で満足したのか旦那は自らの影にズブズブ沈んで行く。
「マジでどうやってんだろアレ?…本当にあたしも出来んのかな?」
旦那は“光と闇”の特に闇の力が強いらしく、あぁして影を利用した瞬間移動が出来る。
ハンドレット以上の“光と闇”“刻”そしてあたしの“重力”出来る者は少ないが“迅雷”や“疾風”の能力者は、方法が違えど瞬間移動が可能らしい。
ありえん(笑)
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