優しい君は

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真新しい制服に身を包み校則をきっちりと守る新入生の中。 「入学式..しんど...」 「仕方ないじゃん 学校の行事くらいは出ないと。」 先程から四月の桜の季節に似合わないジトジトと不満を漏らす勇気、と生物学状男の、セーラー服を着こなす愛、二人もまた新入生だ。 「なあ..お前ってさ...」 愛の数歩先を歩く勇気が何か言いかけるが、 「.............」 空を見上げながら歩みを進める愛に完全に無視されると.. 「ふぎっゅ!!?」 愛の脇腹に回し蹴りを入れる。 「上見て歩いて ヨチヨチ..お前はペンギンかぁ!」 勇気は愛にノリツッコミと言う名の暴力を振るう。 「ざ ま あ 」 「.........この野郎...仕返しじゃ~!」 勇気の肩や胸に、 「ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ!ヌコパンチ~!!」 「甘いわ!!」 十二回のヌコパンチを安々とかわし、スキを見極め首根っこを掴む。 「愛ヌコ捕ったり~」 ぷら~ん ぷら~ん と本物のぬこの様に身動きが取れない愛、捕まえたはいいが、このあとどうするかまでは考えていない勇気。 二人が学校の靴箱付近で戯れている所に、「コラッ遊んで無いで早く体育館に行きなさい!!」 「「にょっ!!!」」 ジャージ(ブルース・リー風)を着た教師らしき男に驚き(愛のみ)体育館に駆けて行った。 勇気は驚きはしたがあまり気にしない。 「オイッ 君も 走らないと遅刻するぞ!!」 「.....ハイ..」 愛と勇気が邪魔して靴箱に靴を容れきらないで居た少年、忍にブルース・リー ジャージが声をかけて去って行った。 忍もゆっくりとした足取りで体育館に向かう。
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