図書館かたつむり

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「珍しい名前ですね」 「まぁね。少しはこだわりがあるんだよね」 少し得意げになるこのきれいな人はユウララさんというらしい。外国人だろうか。道端で出会って、いきなり言われた。 『ねぇわたしかたつむりなの。』 悪質なイタズラか、または本気か。本気だったならぼくは眼科にいく必要がある。あぶない薬はしてないんだ。ぼくはおかしくないはずだ。 「かたつむりもね、世間がだいすきなの」 「ほう」 「政権交代したことだって知ってるんだから」 「へぇー」 「図書館で見た雑誌で流行りだって勉強したの」 「なるほど」 「借りないで見るだけなら登録いらないじゃない。いつも読んでかえるのよー」 そんなばかな。かたつむりがそんな知的生命体だなんてきいたことがない。 「わたしは本が好きだけどね。仲間には家電がすきなかたつむりもいるよ」 「えっ。あなた以外にもいるんですかかたつむり」
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