始まり

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雪のように美しい長髪、 海のように穏やかな瞳。 名前は確か…………立花 奏(たちばなかなで)だったかな。 その女の子こそが、僕たちの敵である「天使」だ。 この世界の学園で彼女は生徒会長を務めている。 生徒会長も本来は規律を糾(ただ)す者。 一般的に正しい者がそんな役職に就いてしまっては、それはある意味の輝きが増すことであり、僕たちの立つ瀬は一層なくなる。 元々そんなものはないつもりだったけど。 「ちょっと大山くん、聞いてた?」 唐突に横からかけられた声で、僕ははっと我に返る。
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