プロローグ

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お父さんとの思い出。 なぜだか、お父さんと遊んだ記憶はそれだけしか思いだせないんだぁ。 でも、今でも目を閉じると遊んでいる皆の楽しそうな声。 煌く光。 自分の頭より大きな顔の熊のぬいぐるみを嬉しそうに抱えるお父さん。 はっきりと思いだせるよ。 なんだか暖かくて、フワフワのお布団に包まれているような幸せな気持ちになるんだぁ。 今はもういない、お父さんとのたった一つの大切な思い出だよ。 でも、大好きなお父さんの顔が思い出せない。声も思い出せない。 覚えているのは、大きな暖かい背中とタバコの匂い。 お母さんには内緒だよ。 お父さんとのたった一つの思い出....
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