出逢い-デアイ-

6/10
前へ
/25ページ
次へ
「あっ、やっぱり居た。」 風弥が嬉しそうな顔で言った。 「あ…さっきは悪かったな。」 さっきの態度を謝った。 すると、風弥は何でもないような顔で、「気にすんなよっ!」と言った。 良かった。 俺の連れなだけあるな。 沈黙の重たい空気を破ったのは、風弥だった。 「ところで…さ、あんな、らしくないお前…初めて見たけど…何があったんだよ…?」 俺は自分の思いに気付いた今、親友の風弥には言おうと思った。 「俺は-…。」 が、躊躇してしまった自分が居た。 何故ならこの気持ちが完全なものかも分からないからだ。 「俺は…先輩として1年生に好かれるかな!?なんてねっ」 言わなかった。 「なっ、お前そんなことで悩んでたのか-!?」 「ま、まぁね…」 俺は卑怯者だなぁ… 自分の気持ちに素直になれれば良いのに。 「もう入学式始まるから戻ろうぜ!」 「あぁ…!」 俺らは、式へと向かった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加