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「…で、この前の所にお迎えに行けばいいんですか?お姫様?」
とりあえず誰に会うこともなく無事駅へたどり着いた。ここから一旦家へ帰り、着替えて出直すことにした。
「いいの?」
「あぁ、いいよ。お姫様が望むならどこへでも」
からかわないでよ、とアヤが照れた顔をする。
一番わかりやすいので、最初に会った場所で待ち合わせすることにしてお互いの家へ帰る。
家へ向かうバスに揺られながら、アヤにメールする。
『どっか行きたいとこあるか?』
返ってきた答えは意外なものだった。
『ネカフェ!駅南に新しく大きいのができたの!あれ行ってみた~い☆』
「ネカフェって……」
俺は思わずつぶやいていた。
オタクな連中がひたすらネットゲームやエロ画像検索をしている姿が目に浮かぶ。
アヤはそんな中に入りたいのか?
でもまぁ仕方がない。アヤが行きたいと言うのだから連れてってやるとするか。
俺は小さくため息をつきながら、『了解』とメールを返した。
家に着いて軽くシャワーを浴びて着替える。
黒地にプリントのTシャツ、いい感じに色の落ちたデニム。
これならアヤと並んでてもすごい歳の差には見えないかな…
そんなことを気にしてしまう自分に苦笑しつつ、車で姫様の待つ場所へと向かう。
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