事の発端

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俺も男だ。 そっちの欲求がないわけじゃあない。 …いや、むしろある方かもしれない。 が。 金で買ってまでしたいとは思わない。 そ-ゆ-コトは好きな女とするもんだと思ってる。 前にそんな話を横山にしたら、「そんなコト言ってるから4年もご無沙汰になるんです!そのうちし方も忘れちゃいますよ!」とからかわれた。 …4年、か… 結婚まで秒読みだった彼女と別れてもうすぐ4年になる。 あいつ、元気でやってるかな… ガラにもなく感傷的になってしまった。帰って飲み直すか… 帰路につこうとしたその時。 「シ~ゲさん♪」 「ぅわっ!何だ…お前かよ。まだ行ってなかったのか?」 横山がニヤニヤしながら立っていた。 「大~事なモン渡すの忘れてたっす」 差し出したのは薄っぺらい1枚のカード。 「何だ?今時テレホンカードか?」 「そうです。シゲさんにプレゼントですよ」 …呆れたプレゼントもあったもんだ。 「あのなぁ、携帯持ってんのにわざわざ公衆電話で電話かけるか?」 「んっふっふ~☆これはただのテレホンカードじゃないっすよ♪かっわゆ~い天使に繋がる幸せのカードっす!」 押し付けられるままにそのカードを受け取る。 「んじゃ、健闘を祈りますよ!」 今度こそ横山は欲望にまみれたピンク色の街へと消えて行った。
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