非日常な一日

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家を出る前にメールしておいたので、待ち合わせ場所に着くとアヤはすでに来ていた。 胸元に大きなリボンのついたキャミソールにカーディガン、デニムの短パン。 …なんつ-露出度の高い服着てんだ… 思ったものの、口には出さない。出したらきっと「今年の流行り、知らないの?」とか何とか言われそうだ。 横山はこういうの好きそうだが、俺はイマイチ好きになれない。目のやり場に困るからだ。胸元の白い肌なんて、その下に続く部分を想像してしまって落ち着かない。 「シゲさん、早~い。ありがとっ☆」 アヤは笑顔で助手席にすべりこんでくる。 「道わかる?あたしも何となくしか…」 「ああ、大丈夫だよ。だいたいわかってる。さっきナビで調べといたからな」 「わぁ!わざわざありがとう!」 …我ながら、ホントわざわざ何でここまでしてんだろ…と苦笑する。 でも、喜ぶアヤの顔を見るのは嫌いじゃない。むしろ…… 「シゲさん好きぃ~☆」 頭に浮かんだ言葉を当てられた気がして、ドキッとした。でもそれをアヤに気づかれるわけにはいかない。 俺はさも興味なさそうな声色を作って答えた。 「そりゃど-も。さ、姫様、出発しますよ」 「は~いっ。わぁい、楽しみ~」 そんな俺の演技なんてどうでもいいのか、アヤはやたらと楽しそうに笑っている。 少し残念なような複雑な気持ちで車を出発させた。
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