『第二部・序章』

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   不思議な力を授ける“ヴァレリア”を要する日本の都市、神代市。  アンノウン、ボン・クラーによるヴァレリアの騎士本部襲撃、【アペタイト】寺崎修によるクロウラー家襲撃が発生し、それを何とか撃退するも被害は甚大。  ヴァレリアの騎士本部で最強の呼び声高い能力者にして総隊長の任に就いている《Ⅰ'st》甲斐亜里栖(かいありす)は栗色の髪を掻き上げる。  綺麗な顔立ちをしているが、目の下には濃い隈が入っており、満足に休めていないことを如実に表していた。  そんな亜里栖は今も仕事中である。 「では、今回の被害を報告してください」  彼女が一日の大半を過ごす執務室。そこには銀色の仮面で素顔を隠した三人が膝を着いている。  その身体つきから二人の性別は男女だと分かるが、もう一人は声でも聞かなければどちらなのか判断もつかない。
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