嵐の前の静けさ

8/9

447人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
最後に条件があるらしい。 強制して通わせるくせに条件まであるのか、 どんだけ横暴なんだあのクソバ…お母様は。 というわけで 条件1 親呼び出しの問題行動を起こさないこと。 懐かしいな。 中学の初期は散々呼び出しの電話来ていたよな。まぁ、途中から誰も電話に出なくなって、 条件2  ウチがヤクザだとバレナイこと 当 たり前だ。 ばれたら退学どころの騒ぎでは済まないだろう。 条件3 勉強で常に50位以内にいること。 「これはどのくらいの基準なんだ?」 「わからん、だがその学校の全校生徒が大体200人位だから、このくらいが普通だろう」 「まぁ、そんなもんか…。」 この時、俺はこの学校で50番というのは、国立大学コースに入るほどの人材だということは全く知らなかった。 条件4 学校のことを家では話さない。 「母さんにもだ」 「あ、なんでだよ。母さんが通わせるんだろ。報告はいらないのか。」 「…」 また黙りやがった。まぁ俺には言えない事情があるのだろう。 母さんに意見できないからな。 こうして4つの条件と 多くの偽装をして、高校に通うわけだが、俺は重大な事を聞いていなかった。 「おい、俺が行く学校の名前は。」 「俺の友人のいる学校だ。校長には話を通してある。あとはお前が通うだけだそうだ。」 聞けば、カバンや教科書やらは既に準備できているらしい。
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

447人が本棚に入れています
本棚に追加