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そして思った。
なんで今、ドライブしてるんだろ。
なんで何の抵抗もなく彼の車に乗り込めたんだろう。
普段の自分だった考えられないのに。
「何で難しい顔してるの?」
「え?して、ないけど」
ですますも怒られるから、少し緊張してしゃべる。
「そっかぁ?まずいって顔してたけど?」
「してないよ」
「俺はてっきり気楽に車に乗ってやばかったんじゃないの?って考えたのかと思った」
「違うってば」
「ふぅん。けど、俺がこのままホテルに入れちゃうかもよ?」
そう言って河合先輩は海岸沿いに建つ青い照明でライトアップされた白亜のお城みたいなホテルを指さした。
『休憩3時間3800円 宿泊5時からOK!9800円~』とお城の壁でリボンみたいな横断幕が揺れている。
「へ?」どき。ホテルって?あの、ホテル?
あのホテルって、アレですよね?
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