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思わず河合先輩を見る。なんて言葉で切り返せばいいの?やだ。どうしよう。
河合先輩は横目で私を見ると、口元に手をやってくつくつ笑う。
「冗談だよ」
そう言って、また私の髪をくしゃっと撫でる。
どきどきどきと、耳の中で心臓が鳴る。
あれあれ?おかしくない?
私が好きだったのは馬場先輩だし、今の私にはちゃんと彼がいるのに。
何、このむやみなどきどきは?
なんで今、二人きり?しかもこの会話っていったい?
河合先輩は、私の顔を見て明らかに楽しんでいる。
「なんて顔してるんだよ」と言って、私の頬を軽くつつく。
ちょ、ちょっとなんでそんなことを?
思わず彼の触れた頬を抑える。
そこだけが熱いような気がした。
「お前さ、俺の高校に来ると思ってたんだ」
「あ……。そうだったんだ」
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