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車はどこに向かっているのかな?
なぜか不安には思っていない。
だけど耳の中で心臓がどきどきと鳴っている。
河合先輩がしゃべらないから、私も黙ったまま窓から海を見ていた。
夕方の海は、雲の切れ間から差す残光に照らされて波頭がきらきらと輝いている。
遠くて立体的なシルエットのように見えるサーファーたちのライディングを見ながら、綺麗だなと思う。
あの景色は今でもふいに思い出す。
車の走行音だけがBGMで、何もしゃべらないのに気まずい感じがなくて、これからどうするのか、どうなるのかも気にならない。
ただ延々と走り続けていく。意味のわからないどきどきを乗せたまま。
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