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「えっ、和也?」
「あっいや、その、あれだ、えーと……うん!」
「訳わかんねーから…」
和也は慌てて落としたノートを拾った。
どうやら、キスシーンを見てしまったようだが……お前さっきまで全然気付かないで勉強してたよな?
「お前見てたのかよ。気付いてないと思ってた」
「いや、流石にあの息づかいは…気付くだろ」
そう言うと和也は苦笑いをして、俺を見つめた。
何故か目を反らせなかった。
お互い顔を赤くして、見つめ合って…何をしてるんだ俺達は。
まさかそっちの気が……?
いやいや。
ありえないありえない。
俺はノンケだ。
彼女いない歴1年のノンケだ。
落ち着け。
落ち着けって。
なんでドキドキしてんだ。
あー クソ
鎮まれ俺の心臓。
気付けば、目の前には和也の顔があって。
俺達は――――…
帰りは、そりゃ気まずくて。
俺達は無言だった。
あんな後に一緒に帰るのもあれなんだけどさ。
あの後どうなったかって?
お前の想像にお任せするよ。
*end
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