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「…」
静かに目を開けたが
すぐに閉じた。
眩しさがわたしの両目を刺したから。
いくつもの疑問が浮かぶ前に
誰かがわたしに話しかけた。
「暁? 大丈夫?」
声の主はわたしを心配そうな顔で覗き込んでいた。
「母さん…」
母が言うには
わたしは部屋の窓を開けたまま倒れていたらしい。
「心臓が痛んだの。
わたしどこかおかしいの?」
わたしはいくつもの武道をたしなむほど
体は頑丈だ。
こんなことは初めて。
「心臓が?」
母の目に疑問と不安が入り混じった。
「うん…握り潰されてるような…息苦しくて…」
母はなにかの病気なのかもしれないと
神妙な顔つきでゆっくりと言った。
「検査をしてもらいましょうね」
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