所詮籠の鳥

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逃げる 追いかけられる 逃げる 追いかけられる たくさん走っているのに追いつかれる 羽ばたこうと土を蹴る しかしむしりとられた羽は跳躍すら出来ずに体は地に落ちる 逃げる 逃げる 逃げる 走る 走って 少しでも 遠くへ 必死に走って 逃げきれたかと 振り向いた瞬間 絶望した 差は開くどころか 逃げたときと 変わらない 何も 何も変わらなかった それは主の見せた 幻影で 必死に空を切る我を 主は 面白に見ていた 我は絶望をする 余興は終わり、 再び檻に繋がれた 小窓すらない暗闇で 澱んだ瞳で 虚ろに宙を見上げて 逝く時を待っていた end
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