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「ここから10キロ圏内に、不穏な組織の動きを確認。至急調査及び牽制、抵抗する様なら一掃せよ」
「「イエス、サー!」」
軍服男が有りもしない口髭をいじる仕草をしながらそう告げる。
取り敢えず一言言っていい?
不穏な動きの組織って、10キロ圏内で多分あんたらしかいないよ。
(これは、関わらないに限る)
本能が告げる危険信号に忠実に従い、僕はそそくさとその場を後にした。
「……ん?」
「どうかしましたか?」
「いや…目撃者がいたようなのでな」
「まさか…全く気配を感じませんでしたが」
「それは面白いな」
軍服男が不吉な笑みを浮かべている事など、近くのコンビニで立ち読みにふけっていた僕は知るよしも無かった。
3冊の漫画雑誌を何の違和感も無く読み終え、申し訳程度の売上貢献にガムを買おうとレジに並ぼうとして、米噛みに銃口をつきつけられた。
「………………は?」
何かおかしくない?
「あ?何だお前、そんなとこにいんじゃねえよ!気付かずに銃口当てちまったじゃねえか!…まぁいいかお前でも」
フルフェイスのヘルメットをしたいわゆる強盗に文句を言われ、僕は人質となった。
「アルェー!?」
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