邂逅

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現金を奪うのが目的であった筈の強盗は、突然入った邪魔な謎集団にすっかり頭に血が上ったようで、店員がレジに現金を戻しても、さらに涙目で奥の事務室に逃げても目もくれなかった。 現在の目的は 『ムカつく奴らぶっとばし』に変更されたようだ。 …いいのかそれで? 「人質は解放された様ね」 気の強そうな(先程のヤクザ発言の少女である)女子隊員が、ふんと見下す様に強盗を睨みつける。 「だからあんたの全部の指をフードプロセッサーにかけてやるわ」 鳥肌が立った。 さっきの何倍恐ろしいか分からない。 純粋にグロいんですが!? 「どういう事だよ!解放してやっただろうが!!」 強盗も軽い恐怖の想像をしてしまったらしく、微妙に声が裏返っている。 「解放したんじゃない、逃げられたのよ。つまりあんたは要求に応じなかったって事じゃない。なら然るべき措置をとるだけよ」 解放したら指7本を失い、しなければ全部失い― ねえこれって譲歩?取引として成立してる? 「物騒な事を言うもんじゃない」 自称超合金少年隊員がたしなめる様に言う。 おお、なけなしの常識をここで発揮してくれるのか。 「それじゃあ足がつく」 「それもそうね」 それもそうねじゃねーだろ!! もう嫌だ関わりたく無い。 逃げよう。何とかしてこの場から脱出しなければ。
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