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「良くも我が隊の戦士を!許さん!」
彼無事みたいだけど、おーい?
ノリノリで超合金少年隊員が強盗に指を突きつけながら叫ぶと、混乱したまま立ち尽くしている強盗に向かって掌をかざした。
「正義執行!!」
途端、信じられ無い事に彼の手から一筋の青白い光が放たれ、それを喰らった強盗は一瞬痙攣してゆっくりとその場に崩れ落ちた。
「えええええ!!!?」
何だそれは、あり得ないにも程がある。
普通人間はCG以外で手から光を出したりしない。
「業務終了!」
そう高らかに少年隊員が宣言すると、他の隊員達はあっさりと回れ右してコンビニから出て行こうとした。
「いやいやいや!待って!」
僕は無我夢中で彼らを追いかけ、さっき撃たれた筈の男子隊員のジャケットの裾を掴んだ。
「待ってって!あんた、怪我は!!」
すると、その男子隊員だけが振り返り、他の隊員達は我関せずといった具合にスタスタと先に歩いて行ってしまった。
「……さっきの人質の子じゃないか。怪我は無かったの?」
穏やかな口調で訊いて来る相手に、僕は目一杯首を横に振った。
「僕より、アナタが」
「怪我はしてないというのは嘘になる。軽い火傷を負った」
そう言って男子隊員はゆっくりと掌を開いてみせた。
そこには、小さな火傷痕と
「え」
一つの弾丸がコロンと、転がっていた。
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